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自費出版大手「新風舎」、再生法申請へ

自費出版ブームで急成長した出版社の新風舎(本社・東京都港区)が7日、東京地裁に民事再生法の適用を申請する。負債額は約20億円。関連会社の新風ホールディングス(同渋谷区)を合わせると25億円程度になる。新風舎によると、すでに印刷会社など2社が支援を表明しており、事業を継続しながら再建方法などを調整する。

 債権者に同社が送った書面によると、営業方法を批判する一部報道などの影響で、売り上げが急落し、債務支払いが滞ったという。今後、営業方法や経費面を見直すなどして立て直しを進める。

 同社によると、現時点で、約1100人が自費出版契約を結び書籍を制作中。同社は「制作途上の本の完成と、すでに出版されている約1万5000人の著作を含めた流通ルートは必ず守る。事業継続のなかで再建を図っていくのでご支援とご協力をお願いしたい」としている。

 売り上げの9割を占める自費出版ビジネスをめぐり、昨年には販売方法などが契約内容と違うとする一部著者から賠償を求めて提訴されるなど、トラブルも起きていた。

 9日午後に東京都内で債権者への説明会を開き、今月中旬から東京、大阪、福岡で著者向けの説明会を予定している。


アサヒ・コム2008年01月07日03時08分

そして、債権者説明会2008/01/09の内容

風評被害?放漫経営?なっとくできぬ新風舎の説明~債権者説明会で 2008/01/10

 お詫びの申し上げようもない――自費出版大手・新風舎(港区南青山)が経営破綻による民事再生法の適用を申請した問題で、9日、同社は債権者向けの説明会を都内で行った。印刷会社や編集プロダクションなど債権者の「放漫経営だったのでは」との意見に対し、松崎義行社長は「たしかに放漫経営だったと思う」と認めた。同社は営業方法などをめぐって著者とのトラブルが相次ぎ、昨年7月に同社と契約していた著者4人が出版費用をだましとられたとして提訴していた。

 涙ながらに謝罪した松崎社長は、「これまでのご厚情に対して、今後の仕事でお応えするしかないと思う」と債権者に説明したうえで、引き続き経営を続けていくことに理解をもとめた。経営破綻の原因として「事業の急拡大」をあげ、社長としての指導力不足に言及。またマスコミ報道に関連して「昨年7月に裁判の報道があり、売り上げが落ちた。それ以前にも風評被害があったが、大きな経営不振を招くとは考えていなかった」と話した。最近は社員に対する給与の支払いも滞っていたという。

 債権者からは「念書まで交わし、請求書を送ったのにまだ支払われていない」「放漫経営だったのでは」などの声があがった。松崎社長は「たしかに放漫経営だったと思う。ただ、放漫経営をしようと思ってしたわけではない」と説明。

 企業破産について著作がある滝久男・弁護士が代理人になるにあたって、松崎社長と会って助力を依頼されたのは昨年12月25日。松崎社長からは「月当たり4億円以上の売り上げがあったが、現状では1億円程度になってしまった」との話があった。滝弁護士は「事業を継続して収益を維持できるか」と松崎社長に尋ねた。「1億円まで落ち込んだが、底を打ったと思われるので、事業は回復するし収益は維持できる」と松崎社長は答えたという。

 同社には、印刷会社の「帆風」と京都府の会社が支援を申し出ている。具体的な支援は今後検討するとするものの、帆風の財務部長は「昨年の暮れに話があり、色々内容を調べた。基本的に半年遅い。租税公課が多すぎる」と新風舎の経営状況を説明。帆風の企業体力でできるだけ支援したいとした。

 代理人の話では、いまのところ同社との取引きを打ち切る取次店、倉庫会社はないという。ただ、取引き先から一時的な取引き停止の申し出があることは予想でき、その場合「長期化しないよう取り組みたい」としている。

 今月7日に東京地裁が出した保全命令によれば、1月6日以前に発生した債権者に対する債務(商品の納入)の支払いは原則としてできない。支払いできるのは従業員の給与、事業所の水道光熱費等、備品代、10万円以下の債務のみ。これは裁判所の監督下に置かれるためで、7日以後の債務については今後の事業継続に必要な「共益債権」として扱われ、支払われる。代理人は「6日までの債務と7日の債務は質的にちがう」とする。

 裁判所から監督委員を命じられた川島英明・弁護士は、今後について「状況は大変厳しい。破産した場合、一般債権者への配当はほとんどない。ほとんどゼロのようなものであれば、うまくいくかどうかは別にして再生計画案を出させてみようとするしか(債権者には)選択肢がないのでは」。また、会場に挙手で確認をもとめたうえで、「大方の債権者は、経営再生がうまくどうかいくかは別にして、『再生計画案に実現可能性があるか判断したい、いきなりの破産は望んでいない』という形で裁判所に意見する」と話した。

 同社の民事再生手続きは10日に東京地裁で開始決定が出される見通しだが、最終的には、再生計画案の裁判所提出を経て、5月に開かれるとみられる債権者集会によって認否決定される。

 著者に向けた説明会は1月下旬の予定。現在、出版を控える契約者は約1100人にのぼる。同社の負債は20億円。
(黒井孝明)

そして、2008/01/11の今日の朝日新聞の天声人語。

初めて新聞に載った記事や写真は忘れがたいものだ。筆者の場合は「ソフトクリーム」だった。入社研修の春、初夏を思わせる百貨店の屋上で、冷菓をほおばる子供を撮らせてもらった。売店と気象台に話を聞いて、季節物の短信にした▼翌朝の地域版を見て、自分の文章に羽が生えた気分になった。パソコンもネットもない28年前である。手書きが活字になり、読者のもとに飛んでいく感覚は格別だ。この思いにプロもアマもない。自分史や随筆を、見知らぬ人に読んでもらいたい気持ちは分かる▼自費出版で急成長した新風舎が経営に行き詰まった。「著作が書店に並ぶ」と宣伝し、費用を著者と分担する手法で約1万5000人の本を出した。ところが、本屋にないなどの苦情が続き、裁判も起きていた▼魅力は、時に魔力にもなる。原稿へのほめ言葉に期待しすぎると、後で落胆しかねない。NPO「自費出版ライブラリー」(東京)の伊藤晋理事長は言う。「まれに『佐賀のがばいばあちゃん』のようなヒットも出るが、自費出版はそう売れない。それでも、無名の記録として残す意味がある」▼誰しも、自分の創作や人生を形に残したいと願う。自費出版の盛況は、この国の豊かな文字文化のたまものでもあろう。「庶民の作品群」は、だから店頭での人気では測れない価値を宿している▼新風舎は前金を払った約1100人の本を制作中だった。誰かの手に取られる日を夢見てつづった労作だ。「羽」を待ちわびる文字たちが、つつがなく飛び立つことを祈る。


私の本も、新風舎から出ています。

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サメは怖くない。残酷でもない 絵本「サメのこどもたち」

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